Whom I met」カテゴリーアーカイブ

帰還

 週末土曜日の午前、ハマド国際空港のアライバルターミナルに人の姿はまばらだ。離発着が増えるのは欧州あるいはアジアへ乗り継ぎしやすい夜。まだ明るい時間帯では、ドーハが最終目的地となるような乗客くらいしか見当たらない。  先… 続きを読む »

信仰の内と外

 もうじき正午という頃合いにスマホが鳴る。 10年ほど前に勤めていた部署の同僚からだ。あそこはうちの下部機関に当たり、イスラームに関する広報活動、ありていに言ってしまうと「宣教」を主な業務としている。  私のところへ電話… 続きを読む »

持つ者、持たざる者

 今週は6日間、出稼ぎ労働者たちと共にイフタール(断食明けの食事)を取ることになった。  イフタール・テントと呼ばれるチャリティーイベントの一環で、カタール人の富豪などが個人的に寄付した資金を、うちの職場が管理運営する形… 続きを読む »

ありふれた水曜日の午後

最近、妻に誘われて彼女のタイ人友達と会う機会が増えた。 ドーハに来たばかりの頃は知人もおらず、どうやって見つけるのかも分からず、私が在宅しているとき以外、妻はいつもアパートの部屋で独りぼっちだった。そんな環境をネット、そ… 続きを読む »

片足の男

いつものようにマジリスで昼食をとり、食後のデザートを食べながらのんびりとしていたら、一人のパキスタン人が入ってきた。 両手に杖を突く、やや年老いて見えるその男には、右足がなかった。 端っこの席に座った彼が、一体何のために… 続きを読む »

マジリスの掟

昔、メンバーの大半が独身かつ50〜60代以上というちょっと風変わりな集まりに加わっていたことがあった。 もちろん集まってくる顔ぶれの殆どがカタル人だ。 基本的には同じルーツを持つ部族に属する者たち。こういった集まりをここ… 続きを読む »

長老の資格

ドーハへ渡ってきた最初の年のラマダーン。 当時はまだ独身だった私は、出稼ぎ外国人だらけの配属先に今ひとつ馴染むこともできないまま、朝晩とイベントに駆り出されるという忙しさの中に埋没することで、どこか寂しい気持ちを誤魔化し… 続きを読む »

お前の生に価値を問う

かつて湾岸諸国では、南アジアを中心とした地域から、ラクダレースの騎手として働くことを目的に、子供たちが連れてこられるケースがあった。 競馬の騎手が体重50kgを切るように、ラクダレースの騎手にも軽さが求められる。 それゆ… 続きを読む »

二日目の決めごと

ラマダーン月が始まって二日目。 この日の夜は、ある人物を訪ねるのが自分の中の決めごとになっている。 彼は私がドーハへ来るきっかけをくれた人。16年前当時の大臣。 今は現役を退き、のんびりと人生を送っている。 彼のような社… 続きを読む »