伝えたいことと、伝えること

投稿者: | 21/04/2019

時折思い出したように覗いている某海外在住者投稿サイトがある。
世界中の現地住み日本人が、在住国の文化や社会をテーマに短いエッセイを投稿する、というのが趣旨。
エリア別に見てみると、やはり欧州が充実している。北米も結構な人が投稿しているし、東南アジアも少しずつ増えている。アフリカ大陸が少ないのは仕方がないか。ところが、アラブ圏がスカスカなのだ。二カ国しかいない。ドバイ辺りには在留邦人が大勢いて、ブログなどもそこそこ見つかるのだが。掲載されている国々でさえ、いずれも最終更新は2ヶ月以上も前。投稿頻度も数カ月おきというケースが殆どである。

この情報量の少なさ。最も大きな理由は「現地文化・社会へのアプローチ機会の少なさ」から来るものではなかろうか。特に執筆者が女性の場合は、アラブ圏は社会の表の部分がほぼ男性で占められていることもあって、現地コミュニティへの接触自体が非常に難しい。一方で女性には女性の世界があるので、そこへ突っ込むことが出来ればユニークなものが書けるはずだが、そこへ至るには相当な時間と努力が必要になる。
男性であっても、積極的に出向いていかなければ得られるものは少ない。しかしながらアラブ圏においてアジア系はなんとなく蚊帳の外。更には語学の問題、信仰の違い、そういった要素も絡んで、何かを語ることができるレベルにまで現地人と知り合ったり、人間関係を築いたりするのは至難の業。
また、長い年月をその国に暮らしているからといって、それだけでは知識と理解が深まるわけではない。それは1,2年の短い時間でも同じこと。解った気になっているだけで、本当の部分はじっくり時間を掛けて社会と向き合うことでしか見えては来ない。

もう一つ、対価の発生しない掲載であっても、大手企業の名を冠したパブリックスペースに、署名形態で書く限りは内容に責任が伴う。個人的な感想を書きなぐっても誰にも怒られないブログとは求められるものが違うのだ。イベント一つ取っても、その歴史や過去の記録を調べた上で書く必要がある。「初めての体験でしたが、面白かったです」だけでは誰も読んではくれない。

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