無法地帯

投稿者: | 20/01/2020

先週投稿した南部砂漠地帯シーラインでの事故多発のニュース

責任

そのシーラインへ一昨日妻や友達家族などと一緒にやってきました。

目的の一つだったバギーをレンタルしての砂丘走行。走り出して15分後に悲劇が起きました。波のようにうねりながら続く砂丘の一つ、その天辺まで登って休憩していたところ、大型四駆が坂の下から突然現れ、ちょうど目の前にいた妻の友達の妹さんの乗ったバギーに激突。同乗していたお姉さんの娘をかばった彼女は足を複雑骨折する重傷。

運転していた若者はカタール人。ここは車が通るルート、何故そんなところで止まっていたのかと言う彼に「突然猛スピードで飛び出してきたのはお前だろ!」と激怒する友達夫婦。しかしアラビア語は堪能なものの、湾岸方言が交じる若者たちの会話についていけない様子。幸い、一緒だったシリア人の友達がアラビア語で対応してくれ、すぐに警察と救急車を手配。

相手の言うとおり、車が頻繁に通るルート。とはいえ、常に正面からもバギーや車がやってくるわけで、下から見上げれば頂点付近は見えないのだから、もっと慎重に登って来るべきだったのは明らかです。

壊れたバギーの回収や修理費など、話し合いが延々と続く中、私達は友達の奥さん、つまり事故にあった彼女のお姉さんを乗せてドーハへ引き返しました。

1ヶ月の予定でドーハに滞在していた妹さん。慌てていたこともあり、身分を証明するものを何も持たないまま救急搬送され、私達が探しだした時点で未だ治療さえ受けていない状態でした。

しかし、お姉さんがパスポートを持ってきたことでID確認が取れ、そこからX線検査などが始まりました。手術の必要があるかどうかは1週間ほど様子を見てからにしましょうと医師に言われ、今は一旦お姉さん夫婦のもとへ。救急搬送だったため、観光客という立場でしたが、治療その他は無料になり、手術をする場合でも入院中の部屋代だけの請求になるそうです。

対応した医師や看護士からは「何故あんな危険な場所へ行ったのか?」と怒られたそう。砂漠の中は交通ルールもなく、事故をしても保険の対象にさえならないこと、毎日のようにあの一帯で事故をした患者が運ばれてくるが、もっとヒドイ状態の人が沢山いること等など。友達も義妹の事故に「もう二度と、誰かに頼まれても、あそこには行かない」とショックを受けている様子。

国内各地のビーチが車の乗り入れを禁止し、柵を張り、警備員を常駐させ、家族連れのみが立ち入ることの出来るエリアへと整備されたのは、彼らのような無謀運転をする連中を排除し、安全を確保するため。

シーラインの砂丘地帯の入り口には救急隊が常に待機していますが、ランクルを使った救急車両の数は10台以上にのぼり、いかに事故が多発しているかが分かります。

私も本音としては今回も乗り気ではありませんでした。しかし、妻が楽しみにしている様子に、少し気が緩んでしまったのかもしれません。あそこはローカルと一緒でない限りは入らないのが賢明。どんなにこちらが気を付けても、若い連中の傍若無人に巻き込まれてしまうのです。