父の日に

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以前noteに書いた記事です。

想いは今も変わらず、願いが許されるのならば、もう一度だけ父に会って、私は息子として父の目にはどういう風に映っていたのかを知りたいと思っています。

自分の夢を叶えたい、その一心で日本を飛び出して湾岸アラブ諸国へやってきた22年前。

それまで、ずっと悩んでいました。両親の側を離れて生きていくことを正当化する、上手い言い訳が思い浮かばずに。

そんな大袈裟な。親離れ、子離れという類の話だろう?そう他人は笑うかもしれませんね。でも、一度祖国を出たら、多分二度と親の元には戻れない、その死に目には会えない、この時の私にはそんな予感が既にありました。

親のスネをかじるようにして生きてきた自分が、何の恩返しもしないまま、遠い国へ渡って行く。そのことが私自身を責め続けていました。

そして、ふと過った思い。もし今ここで夢を諦めてしまったら、10年後、20年後にきっと後悔する日が来る。そうなった時、やらなかった言い訳を親の存在のせいにして、都合の良く誤魔化すような人間にはなりたくない、と。

自分の人生のケリは自分でつけるしかないのです。

そう思えた瞬間、目の前に転がり込んできたチャンスに迷うことなく手を伸ばす自分がいました。

父が亡くなってもうすぐ4年が経ちます。肺ガンと診断されてから1年と少しのことでした。「医者は4、5年くらいと言ったが、そんなに長くはない気がする」診断直後の検査入院を見舞うために一時帰国した私に、父はそう告げました。

遅かれ早かれ死期は来る。覚悟を貰ったからこそ、その死に目に会えずとも後悔がなかったのかもしれません。

福嶋タケシ