それぞれの事情

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妻のカタールでの友達は全員がタイ人。その大半は同じ新南部出身のムスリマたちですが、一人だけ北部出身の改宗ムスリマがいます。

結構歳を取ってからの改宗、そしてエジプト人と結婚して数年前からカタールに。

彼女は今年の2月初めに旦那さんの都合で一緒にエジプトへ向かいました。まだカタール国内で感染者が見つかっていなかった頃です。同月下旬に最初の感染者が出てから、あっという間に規制が始まり、3月初めには「エジプトからの渡航者の入国禁止」措置が取られ、その直後には14か国に拡大、そして4月に入ると全ての国からの入国が不可となってしまいます。

4月の頭には戻ってくるつもりだった彼らは当然エジプト国内でスタック。やがてエジプトも空港が全て閉鎖となって出国の機会さえなくなります。

旦那さんの実家で居候しながら、彼女はカタールに戻ってこられる日をひたすら待っているのが現状。そんな折、ドーハで借りていた部屋の家主が、2ヶ月以上の家賃滞納に業を煮やし、別の人に貸すと言い出します。妻やそのタイ人友達たちが交渉して、1ヶ月分を支払って立ち退きを了承する代わりに、部屋に残された彼女たちの荷物を運び出す猶予を求め、家主から了解を得ました。

それが先月終わり頃の話。それから今月いっぱいを考えていたところ、既に次の借主が見つかったと連絡が入り、大慌てで一昨日荷物の運び出し。

運び出した荷物は二人暮らしにしては大量だったようで、冷蔵庫の保管場所が見つからないから預かってくれないかと言われ、我が家の玄関を入ったすぐのスペースに。服や台所用品は大使館関係者の知人の家に保管し、家具など他の嵩張るものは売却して、戻ってきた時の生活費に当てるそうです。

就労ビザや家族ビザなどの公式の長期滞在許可を持っている外国人の再入国は、8月1日以降から始まる予定ですが、”感染の少ない国から”という条件があります。3月の時点で特に目立った感染拡大のなかったエジプトが単独で真っ先に入国禁止の措置対象になりましたが、今回もあれこれと理由づけして許可リストには載らないような気がします。入国可能になるのは早くても隔離措置が撤廃されるであろう10月以降ではないでしょうか。

エジプトは依然として感染拡大中で、かつ死者の数も日毎に増加しています。医療体制もあまり良くないという話。この状況がまだあと数ヶ月も続くのかと思うと、彼女たちの我慢がいつまで保つか心配ではあります。

福嶋タケシ