ホンモスを食べながら

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先日、海を見に行った帰り道、妻から「ホンモスが食べたい」とのリクエストが出たので、久しぶりにいつもの店に行ってみました。

メニューはホンモスとフール、そしてミックスの3点しかない店。入り口には店主のイラン人じいさんが座っていて、調理と給仕はインド人やバングラデシュ人たちの仕事。今は経済活動制限下のため店内へ入ることはできず、店の前に車を止めての即席ドライブスルー営業です。もっとも、元々が通常時でも店の売り上げのほとんどがテイクアウトだったので、あまり変化はないのかもしれません。

持ち帰ったホンモスは翌朝のご飯として美味しく頂きました。相変わらずの酸味がほんのりと効いた絶妙な味を堪能した妻は満足顔。

この店に通うようになったのは何年前からでしょうか。行く時はいつもカシミール出身のパキスタン人友達と一緒。彼は以前いた部署の元同僚、あまり値段の高いところは気を遣う人なので、ここがちょうど良いのです。もちろん支払いはいつも私です。持つ者と持たざる者とはそういう関係のこと。

この店で色んな人とすれ違いました。

二人で一皿をシェアして食べていた、大きなガタイのパキスタン人

くしゃみを連発するので「大丈夫ですか?」と声をかけた隣席の客は、帰り際に私たちの分まで支払って出て行きました。

皿が運ばれてくるのを待つ間にふと目に止まった、店の前に座って長電話をする労働者。故郷と繋がる唯一の方法は、それでも彼らの心を強くするのでしょう。

職場の同僚とバッタリ顔を合わせることも多かったですね。そういう時は先に食べ終わって出ていく方が勝手に奢ったりします。一皿で8リヤル(約250円)と安いからお互いに気兼ねなくできるのが良いところ。

安いから客の殆どは低賃金で働く外国人労働者たち。とはいえ同じ店で同じメニューを食べたからといって、私には彼らの心の奥底までは想像できませんし、彼らの味わう苦悩が分かるわけでもありません。

ただただ、異なる立場に生きる私たちが、ほんの一瞬だけすれ違う。ここはそういう場所なのです。