アラビア語と私と10年後と

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一昨日のマジリスでのこと。

食後に親父さんに隣へ来いと呼ばれて、しばし談笑したのですが、その中で「アラビア語は簡単だろ?」と親父さん。

「お前さんはもうアラビア語は全く問題ないな」
そんなことないですよ、難しいし、私なんてまだまだです。
「何を言うとる。お前さんのアラビア語は自然に聞こえとるぞ。こうやって今も普通に会話しとるじゃないか」

初対面で「アラビア語が上手いですね」と言われることは今までにもよくありました。そのほとんどは「日本人なのに」という前提ありきで、かつ外国人からでした。カタール人からそういったお世辞を言われたことは覚えがありません。

そして、親父さんもまたお世辞を言うような人ではなく、まして15年を超える付き合いの中でわざわざ私に向かってお世辞を言う必要もないわけで。

そういう意味では「上手いね」と言われるよりもずっと嬉しい親父さんの言葉でした。

「お前さん、もう日本へ帰るなよ」
今はまぁ色々難しいですから、来年ですね。
「いや、そうじゃない。今も今後も日本へ帰ろうなんて思うな。ずっとカタールにいるんだぞ」
それはどうでしょうね。あと10年しか残されていませんし。
「なんだ、その10年というのは?」
定年ですよ。60歳になったら、否が応でもこの国から出て行くことになりますから。
「そんなもの、延長してくれと頼めば良いだろ。お前さんなら大丈夫だ」

どんな国にあっても、やはり地元民と外国人の間の温度差はあります。残念ですが親父さんには外国人としての私の置かれた状況は完全に理解することは難しい。

もちろん、この国にずっと住んでいられるのなら、それが自分にとっては最善の選択肢の一つではあるけれど。こればかりはどうにもならない結果という想像も必要です。