労働力の主流

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ビーチで一夜を明かして日の出を見た土曜日の朝。

最近は毎週末のように海を見に行きます。

まだまだ暑いドーハですが、日が暮れて太陽が地平線の向こうへ姿を消すと、少しではありますが過ごしやすくなってきました。

午後に入ると打って変わって風が強く、時折砂埃が舞うように。

不安定な天候は、季節の変わり目が訪れつつあることを示してもいます。

久しぶりの洗車のために訪れたガススタンドで、洗車係の中に黒人の姿を見かけました。そういえば数日前に給油のために訪れた別のスタンドでも、担当したのは黒人でした。

恐らくはアフリカ系。エチオピアあたりでしょうか。数年前から警備員にカメルーン人が大勢採用され始めたのは知っていましたが、違うセクターにもアフリカ系が進出してきたようですね。

ガススタンドの従業員といえば、これまではネパール人やフィリピン人が主流でした。まだまだ国内での貧富の差が激しいとはいえ、国全体としては成長過程にあるアジア各国。より待遇の良い仕事を求めて本国へ戻る人たちもちらほら。同時に外国人労働者としての彼らの人件費も上昇し始めています。

アフリカ系の台頭は、そういった人件費対策という面もあるのかもしれません。それは、かつては湾岸諸国における外国人労働者の代名詞であったインド人やパキスタン人が、ネパール人やバングラデシュ人、スリランカ人たちに取って代わられたのに似ています。

幾らか手順さえ理解すれば良いような ”単純労働” は、いくらでも替が効くということです。当然コスト最優先になるので、どんどん人件費の安い国へと主流は移っていきます。

国内が厳しくなってきたから海外へ出よう。昨今はそういう流れも散見されますが、現実として ”外国人として働く” ことは、そう簡単な話ではありません。そこには国内と同様の ”需要と供給” の関係があり、大雑把に分けてしまうと、自国民がやりたがらないような ”キツイのに安い” 仕事か、自国民の供給者が極端に少ない ”専門的な” 仕事、それが外国人に求められるわけです。

ガススタンドで働く彼らは前者に当たります。仕事の口は多いけれど手取りが驚くほど低く、いずれ本国の経済力が上がっていけば立場は逆転、割りが合わなくなって国へ戻っていきます。

かつて経済力を誇った、しかし今は停滞が長く続く国から海外へ出るというのは、専門性で突き抜けるしかありません。そうでなければ ”替の効く” 労働力として状況に甘んじるか、です。

福嶋タケシ