庇護されるということ

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妻を誘ってモールへ早めの夕食に出かけようとしたところで、アルアインにいる友人からメッセが。

「ごめん、外にいるから帰ったら返事するよ」

まだ仕事なのか?と聞く友人に「妻と一緒におでかけ」と返したら「あ、そ」と。

みんな大好きシェイクシャックが目的でしたが、なんと平日の午後なのに満席では入れず。仕方なくハンバーガーが食べられる店ということで、同じく米国発祥のテキサスロードハウスへ。

拳よりデカいチーズバーガー。なかなかの美味でした。付け合わせのポテトも熱々。でも、ナイフとフォークで食べるのは味気ない。やはりシェイクシャックの手掴みでガッツリ齧り付くのが良いです。ってことで来週辺りにリベンジ。

帰りに海岸通まで出て、蟹をゲットしました。ここで痺れを切らした友人から再度メッセが「まだ、帰宅してないのか?」と呆れた様子。

帰宅してすぐ返事。簡単な頼まれごとをサクっと済ませます。あちらの様子も聞きたいところですが、今はそっとしておきましょう。彼らも難しい立場でしょうから。

ところで、「中東では有力者の庇護下に入って、安全に旅しましょう」みたいなのが流れていった気がするのですが、初見の外国人を「護ってやる」度量の大きな有力者はどこに行けば会えるのでしょうか?

私自身、アルアインの友人との出会いをきっかけに、部族との付き合いが始まり、ある意味庇護下にいるのですけれど、そうなるまでの年月と労力は相当なものでした。そもそもの出会いが ”自ら求めた” ものではなく、単なる偶然の連なり。運が良かったというだけのもの。でも、出会いなんてそんなもんでしょう。

ですから、外国人、ましてアジア系、それも女性の旅行者が、現地で顔の効くほどの影響力を持った有力者と ”出会う” 可能性はほぼほぼゼロですよ。たまたま街を歩いていたら声をかけられて「君は日本人か、気に入った、困ったことがあれば何でも言えよ」なんて展開になるのは、異世界小説の中だけです。本気で信じてるなんて、映画の観過ぎでは?

万が一にも幸運を手にしたところで、何もせずに護ってもらえるなんて甘い話。様々な無理難題を聞いて、その全てを完璧に応えた先に、彼らの庇護下に入ったと言えるのです。

それでもモールの中を歩いている時に、すれ違う人たちが「○○族の庇護下にいる日本人」だなんて知るわけもなく、何かトラブった時には助けてもらえますが、トラブルを未然に防ぐ効果はまずありません。

旅先での素敵な出会いに心ときめきたいのは無理もありませんが、国が違っても社会の仕組みやそこに暮らす人間というのは似たようなものです。例えば東京の街中で、見知らぬ外国人に貴方は声をかけますか?あるいは、見知らぬ外国人に声をかけられたら貴方は平然としていられますか?ちょっと考えれば分かりますよね。外国だから違うということはないのですよ。

福嶋タケシ