話を盛る人たち

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メディアで有名な評論家?が「自分は特別な許可を得てサウジアラビアに2度入国した」などと言っていたとか。

はて?サウジアラビア自体に入国するのは、ムスリムでなくともビジネスビザを取得すれば誰でも可能なはずでは?

2019年9月下旬からは、日本を含む指定49か国の国籍保有者には観光ビザが発行されるようになりました。現在は感染症防止のため一時的に停止しています。
(2020年6月23日追記)

中東やアラブ、特に湾岸アラブ諸国に絡んでくるような人たちは、どうも彼のように「自分だけは特別」というアピールをするのに必死ですね。曰く「現地では地位の高いローカルとしか付き合いがない」だの「普通の人は入れない場所に入れてもらえる」だの。話を盛りまくる、そういう人に限って口八丁手八丁で、具体的に何をしているのか、何か成し得た人なのかサッパリ分からないことが多い気がします。

湾岸諸国では一部のフリーゾーンを除けば、外資系企業が現地法人を立ち上げたり、個人が店を出したりするのには、現地ローカルのパートナーが必須になります。つまり現地ローカルとの共同出資でなければ登記自体ができない仕組み。また現地ローカルがオーナーの企業が外国企業と提携する場合でも、基本的にはBtoBでのやりとりなのですが、外国企業側は湾岸諸国でのビジネス経験に関して浅いことが多く、そこを突く格好で「コンサルタント」の温床となっています。

現地企業が最終的に結ぶのは相手企業との直接契約のみ。つまりコンサルタントを通じて商品やサービスのやりとりをすることは一切ありません。そこで彼らは仲介役を申し出ることで、双方から「コンサルタント料」という名目で利益を得ることになります。

具体的には外国企業に現地企業を紹介するのが基本的パターンなのですが、その際に「企業オーナーの王族と知り合い」だといったような話を持ちかけることがありがちなパターン。殆どの場合、それは嘘。そもそもオーナーであるローカル(王族に限らず)は直接ビジネスにかかる判断には手を下しません。彼らは名前を貸すだけで、実際の業務はスーダン人やパレスチナ人などアラブ系外国人をGMなどに据えて、彼らに丸投げしているのが実情なのです。

ですので、仮に彼らの言う「王族との繋がり」が実際にあったとしても、現場を仕切るのはその下で働くアラブ系であるため、彼らとの交渉が出来なければビジネス自体が成り立たない。コネでことが進むほどビジネスは甘くはありません。

ただし、トップダウンで何事も進む当地では確かにコネが効力を発揮する場面があります。でも、コネというのは名刺交換したくらいで手に入るような代物じゃないのですよ。地位が高いから何でも言うことを聞いてくれるのではありません。単にコネ目当ての人間がわらわらと寄ってくるから、文化的な礼儀の一環でお目通しをしてくれるだけであって、挨拶を交わした=知り合いになった、ではなく、それこそ当日の夜には昼間に会った人のことなど、彼らは一切覚えていません。

人間関係を匂わせるような人が盛っているなというのはすぐ分かります。何故なら、本当にコネがある人ほど、集られる煩わしさを知っているから、無闇に人間関係について他人に吹聴したりはしないものだからです。

福嶋タケシ